便秘

便秘について

便秘は、3日以上排便がない状態、便を十分にかつ快適に出し切れない状態を指します。また、毎日排便があっても残便感があるなどスッキリしない状態としています。便秘が酷くなると、お腹が張って苦しくなったり、不快感、吐き気、食欲低下が見られるようになります。便秘に悩む方の割合は、男性よりも女性が多く、一般人口の2~28%、年齢層はだいたい20~60歳で、加齢に伴って増加傾向にあります。便秘を、「器質性便秘」と「機能性便秘」に分けられます。

器質性便秘(狭窄性)

排便回数が減少するタイプと排便が困難になるタイプに細分類されます。器質性便秘は、大腸自体が大腸がんや腸炎の瘢痕などによって狭くなり、便の通過障害を起こします。

機能性便秘

排便回数が減少するタイプと、排便が困難になるタイプに細分類されます。排便回数が減少するタイプは薬剤性及び、食事量が少ないことなどが原因で、排便困難になるタイプは、硬い便及び腹圧低下によるものとされます。

当院で行う検査と治療

検査

器質性便秘の場合を除外するために、大腸内視鏡検査を行います。機能性便秘と診断された場合は、以下のような治療を検討します。

治療

便秘の治療で重点が置かれるのは、1日における排便回数ではなく、心地よい排便が出来るようになっているかということです。

生活習慣の予防

とくに水溶性食物繊維をしっかり摂取したり、ヨーグルトなどの乳酸菌を摂取したりといった食生活の工夫を中心に、適度な運動と十分な睡眠など、生活習慣の改善を図ります。また、水分をしっかりと摂り、落ち着いて排便できる環境を整えます。便意を催したらすぐにトイレに行ったり、トイレに行く時間を決めたりと排便習慣を付けることもおすすめしています。排便時には、腹圧がかかりやすい前かがみの姿勢をとると、直腸が真っすぐになり便が出やすくなります。それも長時間無理に排便を促すことは、腸や肛門に負荷がかかるのでやめましょう。このような生活習慣の改善を図っても、便秘の症状が改善されない場合は、医師と相談しながら服薬治療を行っていきます。

薬物療法

内服薬・坐薬・浣腸があります。内服薬には

  • 便を柔らかくする薬
  • 腸液分泌を促進して便を柔らかくする薬
  • 複合的な作用のある薬
  • 腸を刺激して大腸の動きを促す薬

など幅広くあります。慢性便秘症ガイドラインに則って、患者さんの排便状態や体質、薬剤による副作用などで処方内容を決定していきます。患者さんの排便状態を記録しながら、医師が治療方針を立てていきます。

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